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歯科医院での定期検診の目的とメリット、通い続けるためのヒントを解説!
皆さんは、歯科医院での定期検診を受けていますか?日本では年々、予防への関心が高まっていることもあり、歯科医院での定期検診を受ける方も増えてきました。それでも口腔ケアの先進国である北欧と比較した場合は、定期検診の受診率もまだまだ低いと言わざるを得ません。
そもそもお口の中を全体的に調べる「歯科健診」と詳しく調べる「歯科検診」を混同されている方も多いことでしょう。今回は後者の歯科検診(=定期検診)の目的やメリット、通い続けるためのヒント・アドバイスを解説します。
定期検診の目的とメリット
目的:虫歯や歯周病の予防
歯科医院での定期検診の主な目的は、虫歯や歯周病の予防です。定期的に歯科検診を受けることで、虫歯や歯周病の兆候を早期に発見できるだけではなく、早めに対処することが可能となります。
メリット
セルフケアでは落とせない汚れを除去できる
歯科医院での定期検診では、セルフケアでは取り除くことができない歯石やバイオフィルムなども一掃できます。口腔ケアのプロフェッショナルである歯科衛生士が専用の器材や薬剤を使って、歯列の隅々までお掃除します。その結果、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しにくい、衛生的な口内環境を維持しやすくなるのです。
正しい口腔ケア方法を学べる
歯の寿命を延ばせる
日本人が歯を失う主な原因は「歯周病(第一位)」と「虫歯(第二位)」です。定期検診をしっかり受けていれば、この2大疾患を予防しやすくなり、歯の寿命の延伸につながります。
全身の健康リスクを低減させることができる
通常の表面の歯石除去では、歯の外側や歯茎の上に付着した歯石を取り除くことが目的です。
一方、PMTC(プロフェッショナルな口腔清掃)による定期的な検診では、歯周病の治療であるSRP(歯周組織のクリーニング)により、歯茎の中に蓄積した歯石を重点的に除去します。
表面の歯石除去とは異なり、SRPはより深部に蓄積した歯石を取り除くため、専門的な技術と知識が必要とされます。歯茎の中の歯石を放置すると、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間の隙間に歯石が形成され、そこから歯茎に対してダメージを与える可能性があり、歯周病の進行や歯茎の退縮、さらには歯の失われる原因につながるのです。
また、歯周病は進行すると、口腔内の炎症が全身の炎症とつながり、心臓病、糖尿病、妊娠合併症などのリスクを高めることが知られています。定期検診による口腔内の異常や疾患の早期発見と治療が、歯周病の改善だけでなく、全身の疾患予防と健康リスクの低減につながります。
生涯医療費を抑えられる
虫歯や歯周病は、進行するほど治療費も高くなります。歯を失えば、数十万円の費用がかかる場合もあるのです。歯の喪失によって口腔機能が低下すれば、上手く噛めない、食事がしにくい、栄養に偏りが生じる、胃腸に大きな負担がかかるなど、全身の健康にまで悪影響が及んでいきます。その結果として、生涯にかかる医療費もかさんでいくことでしょう。その発端となるお口の病気を早期に発見・治療、予防できれば、生涯医療費を抑えることが可能となります。
定期検診によるメリットは多岐に渡りますが、予防的なアプローチとして、自身の口腔と全身の健康を守るために積極的に受診することが重要です。
定期検診のスケジュールと頻度
歯科医院での定期検診は、3か月に1回くらいの頻度で受けると良いでしょう。口腔ケアをしっかりと行えていて、虫歯や歯周病にかかるリスクが低いという方は、5~6か月に1回の受診でも問題ありません。逆に、虫歯や歯周病にかかりやすい方は、1~2か月に1回の頻度で通院しても良いでしょう。とくに歯周病を長く患っているケースは「歯周病安定期治療(SPT)」という名目で、治療もかねた定期検診・メインテナンスを高頻度に受けることができます。
検診に通い続けるためのヒントとアドバイス
定期検診には保険が適用されます。
なお、口腔内の健康管理は、むし歯や歯周病だけでなく全身疾患とも深く関わっている為、当院では長期的な観点で、歯のクリーニングや、PMTCのご提案も行っており、しっかり歯をケアする事を第一に考えています。
お口の検査から予防処置までまとめて受けられるのが当院の特色です。
虫歯や歯周病の予防と早期発見・早期治療へとつなげ、長期的には医療費の削減を目指しています。
定期検診は将来への投資?
歯科医院での定期検診は毎月通うようなものではありません。一般的には 3~4か月に1回くらいの頻度で受けるものなのです。
しかし、季節ごとの定期検診を継続的に受診する事で、痛みが出ないほど早い段階でも病気が見つけられ、負担を最小限に抑えた簡単な治療につながります。
また、定期的な歯科医院でのメインテナンスを受けることは、毎日の快適な生活や、歯の健康の維持をもたらすだけでなく、将来的な口腔環境の健康に対する投資となるのです。
美容院やジムに行く感覚で通院する
美容や健康に関心のある方は、定期的に美容院やトレーニングジムに通っていることかと思います。その時のモチベーションをそのまま歯科医院での定期検診にも当てはめてみませんか?3~4か月に1回の定期検診を受けることで虫歯や歯周病の予防、ひいては全身の健康維持・増進まで可能となります。口元の審美性も向上することでしょう。
通院を継続するコツ
定期検診は、継続することが重要です。通院する間隔がまばらになると、その効果もだんだんと薄れていってしまいますのでご注意ください。そこで皆さんにおすすめしたいのが「次回の予約」を入れるタイミングです。3~4か月というのはかなり先の話になりますが、その日の診療を終えた時点で予約をとってしまいましょう。そうすれば定期検診の優先順位が自然に上がります。予約日が近くなっても、定期検診のアポイントが入っていることを前提としてその他の予定を組むようになりますよ。