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院長ブログ

実は別物!予防歯科と歯のクリーニングの違いとは?

予防歯科の目的ってなに?

予防歯科の目的は、「歯科疾患を未然に防ぎ、健康な歯を維持すること」です。分かりやすい例として、80歳になっても自分の歯を20本は残そうという8020運動が挙げられます。この運動は、生涯を通じて1本でも多く自分の歯を守っていくことを目的に始まりました。
日本で抜歯原因の半分以上を占める歯周病と虫歯は、治療によって口腔機能を改善できるものの、失った健康な歯や周囲組織を元通りにすることはできません。
しかし、早期発見と早期治療が可能な予防歯科では、疾患による歯の損失を最小限に留めることができるのです。
要するに予防歯科では、適切なセルフケアと歯科医院での定期検査及びプロフェッショナルケアを行い、虫歯や歯周病などを予防して歯の健康を保つことが目的となります。

歯垢と歯石は何が違うの?

歯垢(プラーク)は細菌の集合体、歯石はそれら細菌の死骸が石灰化したものです。磨き残しなどに細菌が増殖して定着する歯垢は、唾液中のカルシウムなどにより数日で石灰化が起きて硬い歯石となります。つまり、歯垢がない状態であれば、歯石は形成されないのです。
この歯垢と歯石、主な違いには

  • 歯垢は柔らかく、歯石は硬い
  • 歯垢は黄白色のみ、歯石は黄白色と黒褐色のものがある
  • 歯垢は歯ブラシで取れるが、歯石はセルフケアでは取れない

などがあります。一方で共通点としては、どちらも虫歯や歯周病の発症と進行に大きく関与するため、放置し続けると歯科疾患発症のリスクが非常に高くなるという点が挙げられます。

歯石取りとクリーニング(PMTC)の違いってなに?

保険の歯石取り

通常の歯石取りは、保険が適用されるための病名が必要です。これは、検査において「歯周病である」「虫歯の原因となっている」などと診断された場合が該当します。
このことからわかるように、歯石取りは「治療を目的とした処置」であり、見た目のみに影響を及ぼす着色の除去などは基本的に含まれません。また、歯石の付着レベルによっては保険のルールによる制限で、歯石取りを数回に分けて行うこともあります。
以上のことから保険の歯石取りは、

  • 保険が適用されること
  • 歯科疾患を治療するための処置であること
  • 着色の除去は含まれないこと
  • 処置が複数回に分けられること

といった点が特徴です。このことを踏まえ、次項のPMTCと比べてみましょう。

自費の歯のクリーニング(PMTC)

PMTCは、歯の表面や歯と歯の間、その他全ての歯から歯垢を徹底的に取り除くために行うクリーニングです。このPMTCの定義は「熟練した歯科医師、歯科衛生士が機械的清掃器具を用いて、全ての歯面から歯垢(プラーク)を取り除くこと」とされています。
つまり、歯石になる前のプラークを排除することを目的とした、「予防のための処置」ということになります。PMTCは歯石取りのように病名は必要ないことから、自費診療となり価格は歯科医院によって異なります。
また、保険による縛りがないPMTCでは、着色の除去やフッ素の塗布も行うことができるため、より予防性と審美性の高い処置を受けることが可能です。
これらのことから自費の歯のクリーニングであるPMTCは、

  • 治療ではなく予防のための処置であること
  • 病名が必要ないことから自費診療であること
  • 歯垢だけでなく着色やタバコのヤニも除去できること
  • 歯を強くするフッ素を使用すること

が保険の歯石取りとは異なる点となります。

歯石取りとクリーニングにはこんなメリットが

歯周病・虫歯を予防

歯垢や歯石は、歯周病と虫歯を誘発する大きな因子となります。長く放置すればするほど発症の確率は高まり、治療にかかる時間と費用が増えるだけでなく、歯や患者様自身への負担も大きくなってしまいます。しかし、専門家によるクリーニングを定期的に受けることで、重症化だけでなく発症リスクも大幅に減らすことができるのです。

歯垢や歯石の再付着を防ぐ

歯垢や歯石、着色はザラザラとした表面に付着しやすい反面、クリーニング後のように滑沢な表面には付着しにくいという特徴があります。歯科医院で専用の機械を使ったお掃除のあとは、歯の表面がツルツルの状態になりますよね。クリーニングはただ爽快感や舌触りがよくなるだけではなく、歯の表面を研磨することで沈着物を防ぐメリットがあるのです。

歯ぐきの炎症を改善する

歯ぐきの炎症は主に、歯石とそれに付着する歯垢が原因とされています。歯石取り、及びクリーニングでは、炎症を進行させるこれらの付着物を取り除くことで、歯ぐきの腫れや出血を改善することができます。

審美性の回復

前歯に付着する汚れや歯石、歯周病によって腫れた歯ぐきは、日常生活において審美性を大きく低下させてしまいます。見た目が悪くなってしまうこのような場合でも、歯石取りやクリーニングにより、機能面だけでなく審美性の改善も期待できます。

歯質が強化される

クリーニングでは、フッ素が配合された歯磨剤を使用したり、処置の最後にフッ素を塗布したりします。フッ素の効果は多くありますが、その中の一つに虫歯菌から歯を守るために有効な「歯の質を強くする」という作用があります。このことから、クリーニングを受けることは歯の強化に繋がり、虫歯の予防効果が高まる点も大きなメリットです。

最後に・・・

当院では予防に力をいれており、皆さんの大切な歯を守るべく、歯科医師と歯科衛生士でしっかりタッグを組んで取り組んで参ります。何か不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでお問い合わせください。
“自分の歯で噛む喜び”がいつまでも続きますように…。

副院長 國本 あゆみ

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